環境省連携プロジェクト 第1回

2025年10月3日

【やったこと】

  1. 今後のスケジュール確認
  2. Community Loopsについて(Harch石塚さん)
  3. ドキュメンタリー映画『リペアカフェ』視聴
  4. 感想共有
  5. 現在の取り組みと課題の共有(CYKLUS平田さん)
  6. 次回までの課題共有

今後のスケジュール確認

衣類の地域循環について考える実証実験を行う。
課題のきっかけやトピックの提供から、仮説や問いを自分なりに見つける。
「共創実験の場=“Co-Creation Lab”」ワークショップ(全4回)
Phase1:発見と共感~なぜ人はモノを捨てるのか?人はモノの何に愛着を感じるのか?~
Phase2:創造と実装 アイデアを形にするサーキュラー・プロトタイピング
Phase3:拡張と総括 循環型の未来へつなぐ 学内中間発表
Phase4:最終総括 循環型社会に必要なことを形に!
(PBL(プロジェクト学習)のグラウンドルールも確認済み。)

Community Loopsについて(Harch石塚さん)

Harchは、「Publishing a Better Future よりよい未来を、みんなに届ける。」をMISSIONに掲げ、7つのメディアを動かしている。
Community Loopsとは、地域内循環・衣類をテーマに取り組んでいる。
リペア・アップサイクルと、目的別に分けている。
なぜ地域内なのかというと、捨てられた服が最終的に行きつくのがチリ・アフリカ(砂漠・海に不法投棄。服のゴミが大量)。
チリ・アタカマ砂漠「砂漠でファッションショー」
中古品で売られたり、寄付されたりと、海外に持って行くことが多い。
チリ・アタカマ砂漠「洋服の墓場」のファッションショー。廃棄された服でランウェイを歩く(IDEAS FOR GOOD)
↑参考資料
このことから、目の届くところで循環することにたどり着いた。
そうすることで、追跡しやすく、輸送の手が省けるという利点に目を向けた。

ドキュメンタリー映画『リペアカフェ』視聴

IDEAS FOR GOODオリジナルドキュメンタリー。
リペアカフェは、オランダ市民から始まった。
メーカーから見放されたモノを修理する。修理したいのはモノだけじゃない。
アムステルダム ボランティアにより、無料で修理。
アムステルダムは東京23区の1/3。そこに40~50のリペアカフェが存在する。
モノには、どうしても捨てられない思い入れがある。
どんな人がどんなモノを持ってくるかというと、家庭用品を持ち込める。
2009年に誕生。寄付や助成金で運営している。
10年以上リペアカフェのボランティアをしているロバートさんによると、ご褒美は人と会って話すことだと言う。

【西地区】
Topic1:ネックレス
おばあちゃんにもらった。小さい頃は好きじゃなかったが、大人になってからかっこいいと感じるモノとなった。
持っているモノをよりよくして使えるようにする。
そうすることで、思い出をよみがえらせ、はっきり思い出を心に刻め、思い出を鮮やかにしてくれる。
修理しているモノの中には、道端で落ちてるモノもある。
【北地区】
リペアカフェが公民館で開かれている。ボランティアの中にはエネルギーを貰えると語る人もいた。
Topic2:パンツ
シリアから来た難民。戦争から逃れてきた方。長すぎるパンツを直してもらいに来た。
オランダに来てから3年半。
シリアでは、隣の家にノックをして話をしに来たと伝えるだけでコミュニケーションが取れた。その生活が恋しいと語る。
孤独で、社会に溶け込むのが難しい人もいる。
リペアカフェには、人との関係性を直す役割もある。新たな意味や物語。
Topic3:道端に捨てられて。
使わないものにも命がある。
モノ=友達。直して自分で作ることで、より良い関係を育む。
人は、莫大な代償を払いながらモノを買う。
お金を稼ぐことで、行きつく先は?
電子廃棄物の増加。
何が重要か見つめ直すことが必要。
Topic4:掃除機
5年以上使用し、バッテリーが壊れた。
はんだ付けで、修理できるように作られていないため、モーターはまだ動くのに、もうできることはない。
悔しい。負けることもある。
メーカーは安く作ることを重視し、モノの寿命は考えない。ガラクタばかり製作。
Topic5:スピーカーユニット
プラグが壊れて、音楽が聴けない。中に詰まってる。型番が書かれてなくて分からない。
トレンドに逆らっている。
メーカーは部品を提供しない。新品を買わせようとする。
そうではなく、修理ツールもシェアし、スキルの連鎖を生む。
それがいつか他の人を助けたいという想いに繋がり、学ぶためにリペアカフェに出向き、自分で修理するようになる。
それこそが最大の勝利であると語る人がいた。
Topic6:おもちゃ
子どもの好奇心を刺激。好きなことを見つけてほしい。
小さい頃から修理。人間には「オン・オフ・リセットのボタンが無く」怖かった。
簡単なのは、修理・工作だと気づいた。
器用な変わり者として器用さの尊敬を得た。しかし、それよりも大切なものを見つけた。
修理は生き方そのものと語る人がいた。
子どもは、自分で何ができるかの発見となり、修理の楽しさを学び始めている。
【西地区イベント】
物々交換市。
自然体とコラボレーション。
修理はメンタルヘルスにも。
大学では、完璧を追い求め、それがストレスに。
修理をするということは、すでに壊れている。これは、心に働きかけることができる。
【インタビュー】
『あなたにとってリペアカフェとは?』
クリエイティブ・有力・思い出に命を吹き込む・人とつながる
学ぶこと・自然と機械の両方を修理すること・サーキュラーエコノミーへの参加ETC.
問いかけ『あなたは何をしたい?』
【映画製作者 瀬沢正人さんの言葉】
2020年秋にリペアカフェに訪れた。
モノだけでなく、思い出や記憶、時間を直している。
心も修復する力がある。
交流し、楽しむことで、孤独感(都市部の問題)をいやす。
新しい価値の創造。
今の経済は、リニアエコノミー。作って使って捨てる一直線の経済。
これからの経済は、サーキュラーエコノミーを目指す。資源を循環することが経済の仕組みの一つに。
円を再びつなぎ合わせる役割となる。
製品づくりの段階で、政府・メーカーに修理を出来るように製品づくりを行うように求める。
そうすることで、環境に良く、財布にも優しい社会になる。
日本各地でもリペアカフェが広がっている。
まずは、捨てる前に修理できそうな詳しそうな人に聞く。
また、買う前に、誰かに借りれないか、買うなら長く付き合えるかを考える。
人を思い出すなど、モノに対する視点を少し変えてみる。

感想共有(感性や、生きてきた経験をもとに)

掃除機→何かに活かせると良い。
無料やボランティアは、海外ならでは。
日本は、お金も時間もかかる。(土地柄)
日本はボランティアが普及していない。
自分の技術を売らずに渡すのはすごい。
付加価値が無いからこそ、技術をオープンにしやすいと感じた。

リペアには2種類ある。(アメリカ)
サービスリペア:金と修理の交換
コミュニティリペア:金じゃないものと修理の交換。責任が生まれない。構造が理解できる。

現在の取り組みと課題の共有(CYKLUS平田さん)

立ち上げてから1年の会社。
CYKLUS:デンマーク語で「修理」の意味。
3人の会社で、全員パタゴニア出身。リペアとデザインを行っている。
『地球のリズムでゆっくりと、自然のサイクルで暮らす』
Mission:モノを大切に使い続けるカルチャーを育む
ブランドに「4C Studios」がある。
福井県の廃材を糸にし、糸から服にしている。
役割:ビジネス(持続可能な循環型ビジネスを構築)・カルチャー(暮らしにおいて循環を楽しむカルチャー)・コミュニティ(循環型社会をともに創るコミュニティ)
【課題】
社会への働きかけのきっかけ
国内新規供給量:79.8万トン
家庭から手放した衣類:69.6万トン
廃棄:48.5万トン
環境省 令和4年度循環型ファッションの推進方策に関する調査業務-マテリアルフロー-
製品ライフサイクルでのCO2排出割合
つくる:71%、物流:3%、小売:3%、製品の使用・廃棄:23%(ライフサイクルアセスメント)。
輪をゆっくり回す。
衣類の寿命を伸ばすことで、過剰な供給を減らす必要がある。
洋服を処分する理由
破れ・破損:74.3%、シミ・黄ばみ:67.1%
「修理する権利」直すことを前提にモノを使う。
フランスでは、政府が修理に手当を払う。
ボトムアップを双方からやっていくべき。
【United Repair Centre(アムステルダム)】
→いろんなブランド協働で技術を共有している。
【第4回 DO REPAIRS 2025.10.24-26】
パタゴニア。競合ブランドと合同で、ブランド問わず、壊れたものを直す。学生ボランティア募集し、価値観の共有も行っている。
【パタゴニアの取り組み】
衣類の修理をしながらトラックで全国を回る。
Goldwin:スキー場に還元してる、アップサイクルプロダクト。

日本の伝統:「もったいない」文化。思い出・ストーリーが積み重なる文化。
Community Loops 服がめぐり、人がつながる、まちのループ。
目指す服の循環 「衣類回収→分別・リペア→販売会・ワークショップ→透明性のある循環→」
これを「見える化」
トレーサビリティとストーリー共有による価値向上を行っている。
廃棄削減を超えて、文化を育む挑戦。

【課題】

【質問に対する回答】
リペアは、収益性に欠ける。それでも細く長くやり続けるのは、短期的でなく長期的視点を重視しているから。
そうすることで持続可能性・信頼性の点から、長く使えることで、ブランドとしての安心感を形成することができる。
5年・10年の長いスパンの利益・継続を考えている。→選ばれる企業に。
さらに、価値観をどこに置くか?
経済的価値・社会的価値・環境的価値のバランスが大事。
リセールビジネスが+になっている。
リペア・再販・リサイクル。ビジネスとしてまわせる組み合わせの構築。

次回までの課題共有

→実現可能性は考えなくて良い。自分規模じゃなくて良い。夢でもOK!
→将来のキャリアパス(ものづくり・マーケティング・システムづくりetc.)に繋げて考える。
【Google Form】
〈Question〉
  1. 「循環型社会」や「サーキュラーエコノミー」について、感じた課題やそれに対する考えを共有してください。
  2. 地域内で衣類循環を実現させるために、どんな要素が必要だと感じましたか?
  3. 地域内での衣類循環に関する「自分ごと」としての問い、または自分自身が関われそうなことについて、教えてください。
  4. その他、今回のWSで感じたこと、Community Loopsへの質問・意見などを自由に書いてください。
〈Answer〉
  1. まず、循環型社会やサーキュラーエコノミーという話題は、企業で最近になって出てきた言葉のように感じ、 日常的に浸透していないと感じることが課題である。また、日本は「もったいない文化」が伝統であるのに対し、 トレンドの変化が早く、ファッションはその典型的な一例であることが課題だと考えた。
  2. 服を回収し、回収した服を地域の人が気軽に見れる要素が必要だと感じた。 さらに、使用済みの服に対する嫌悪感を無くす要素が必要だと感じた。 また、服を手放したい人と手に入れたい人がどんな時にその想いを感じるかを知ることが重要な要素だと感じた。 加えて、そこに対する手助けを考えていくべきであり、実現に向けてテクノロジーやスキル、アイデアといった要素が必要だと感じた。
  3. 「自分ごと」としての問いは、衣類循環を実現するためには、本当に地域内で行うべきなのか? 衣類を購入する時と手放す時、どんなことを感じてるか?手間を省くには?社会に役立たせる方法は?など。 自分自身が関われそうなことは、衣類を捨てないことや、ファッションの好みが似てる人を見つけて譲ることなど。
  4. リペアカフェを視聴してみて、一つのこと(修理)に対しても人に対しても人によってさまざまな価値観や想いがあることを感じた。 さらに、今回のWSを通じて、輸送の手間が省けることや、修理して長く使い続けることの大切さを感じた。 しかし、地域で循環することの良さを消費者視点で考えるとあまり感じなかった。 質問は、新しい服を手に入れる人にとって、透明性って必要なのか?ということ。 意見は、衣類の寿命を延ばすには、トレンドを周期で回せばいいのではないか(5年単位ぐらいで)。 さらに、ゴミとして捨てるのが1番楽な手段として浸透している世の中で、 消費者にとって現在の衣類循環の仕組みにそれ以上の手間を省ける価値を生み出せると感じない。

【2025.10.5メモ】
まず、顧客視点に立って考えたい。
服を捨てる時、1枚1枚捨てないし、大事なものは取っておく。
だから、まとめて捨てる人が多い。
ストーリータグは必要ない。
ゴミを出すのが楽な世界。曜日決まってるし、捨て方も決まってる。そしたらゴミに出す。
服は重いし、まとめた服を遠くまで出しに行く人はいない。
近くに出せるところがあるべき。地域循環を目標にしてるならなおさら!
服を買う側で考えると、選ぶ楽しみがある。選べるようにする。
捨てる服には、ただ着なくなった服もあるから。
そうじゃなくて、修理が必要だったり、シミがついててクリーニングが必要だったりするものは後で回収する。
捨てる時、それを分けて袋に入れてもらうだけにする。
服を捨てる人の手間を省くべき。
だから、ゴミ箱と均等な感覚に服回収場を設けるべき。そして、通りがかりの人が自分が欲しい者を手にできるようにする。
高級店とか、入りにくい傾向があるように、分からない店に人は入らない。
だから、店舗を設けると人は寄り付かないと考える。
だからと言って、外に長時間服を置いているとそれなりのダメージがある。
そこも改善点が必要だと現段階では考えているところ。